片麻痺の歩行で「転びやすくなる人」の特徴 ~脳卒中後の転倒を防ぐために知っておきたいポイント~

脳卒中後の後遺症として多くみられる片麻痺。退院後、「なんとか歩けるようになった」という方も少なくありません。

しかしその一方で、

  • 「最近つまずくことが増えた」
  • 「歩いていてヒヤッとすることがある」
  • 「一度転んでから外出が怖くなった」
  • 「家の中なら歩けるけど不安がある」

といった悩みもよく聞かれます。

実際、脳卒中経験者は健常高齢者と比較して転倒リスクが高く、退院後6か月以内に約40~70%が転倒を経験するという報告もあります。

転倒は単なるケガだけではありません。

  • ・骨折
  • ・活動量低下
  • ・廃用症候群
  • ・外出機会の減少
  • ・自信喪失

など、生活全体へ大きな影響を及ぼします。

そこで今回は、片麻痺の歩行で「転びやすくなる人」の特徴について解説します。


なぜ片麻痺では転びやすいのか?

歩行は単純に足を動かしているだけではありません。

脳は常に、

  • ・重心位置の調整
  • ・バランス保持
  • ・足の位置の確認
  • ・周囲環境の認識

を行っています。

脳卒中によってこれらの機能が障害されると、転倒リスクが高くなります。

特に片麻痺では、

  • ・麻痺側への荷重不足
  • ・バランス障害
  • ・感覚障害
  • ・筋力低下

などが複雑に絡み合います。


特徴① 麻痺側に体重を乗せられない

転びやすい方に最も多くみられる特徴の一つです。

脳卒中後は、

「麻痺側に乗るのが怖い」

という感覚を持つ方が少なくありません。

よくみられる歩行

  • ・非麻痺側ばかりに体重を乗せる
  • ・麻痺側の立脚時間が短い
  • ・急いで反対側へ移る

この状態では身体のバランスが不安定になり、方向転換や段差で転びやすくなります。


特徴② 足先が引っかかる

片麻痺歩行で非常に多い原因です。

脳卒中後は足首を上げる筋肉(前脛骨筋)が弱くなることがあります。

すると、

歩行中につま先が十分に上がらず、

  • ・カーペット
  • ・敷居
  • ・段差
  • ・屋外のわずかな凹凸

に引っかかります。

転倒しやすい場面

  • ・疲れている時
  • ・急いでいる時
  • ・注意が散漫な時

特徴③ 歩く速度が極端に遅い、または速すぎる

意外かもしれませんが、

「ゆっくり歩けば安全」

とは限りません。

研究では歩行速度の低下が転倒リスクと関連することが報告されています。

速度が遅い方は、

  • ・バランス能力低下
  • ・筋力低下
  • ・歩行効率低下

を抱えている場合があります。

一方で、

「転びそうだから急いで足を出す」

方もいます。

これは重心移動に足が追いつかず転倒しやすくなります。


特徴④ 姿勢が大きく崩れている

姿勢は歩行の土台です。

特に多いのが、

  • ・猫背
  • ・麻痺側への傾き
  • ・非麻痺側への過剰な偏り

です。

姿勢が崩れると

  • ・重心位置が不安定
  • ・足が出にくい
  • ・バランス反応が遅れる

という問題が起こります。


特徴⑤ 注意力が低下している

脳卒中後は、

  • ・注意障害
  • ・半側空間無視
  • ・遂行機能障害

などが生じることがあります。

例えば、

  • ・足元を見ていない
  • ・障害物に気付かない
  • ・二つのことを同時にできない

といった状態です。


特に危険な「二重課題(Dual Task)」

例えば、

  • ・歩きながら会話する
  • ・歩きながら荷物を持つ
  • ・歩きながら考え事をする

こうした場面で転倒リスクが大きく上昇します。


特徴⑥ 疲れやすい

以前の記事でもお伝えしたように、

脳卒中後は脳が多くのエネルギーを使っています。

そのため、

  • ・歩行後半になると足が上がらない
  • ・集中力が切れる
  • ・姿勢が崩れる

という現象が起こります。

転倒の多くは、

実は「歩き始め」ではなく「疲れた後」に発生します。


特徴⑦ 転倒経験がある

過去の転倒歴は最大級の危険因子です。

一度転倒すると、

  • ・恐怖心
  • ・活動量低下
  • ・筋力低下

につながります。

するとさらに転びやすくなり、

悪循環に陥ります。


転倒予防で本当に大切なこと

転倒予防は、

「歩行練習だけ」

では不十分です。

重要なのは、

  • ・姿勢
  • ・バランス
  • ・感覚
  • ・注意機能
  • ・環境調整

を総合的に考えることです。

特に重要なポイント

✔ 麻痺側へ体重を乗せる練習

✔ 体幹機能の改善

✔ 疲労管理

✔ 自宅環境の見直し

✔ 実生活に近い歩行練習


当施設で行っている転倒予防アプローチ

当施設では、

単なる歩行訓練ではなく、

  • ・動作分析
  • ・姿勢評価
  • ・バランス評価
  • ・上肢機能評価
  • ・自宅生活の確認

を行いながら、その方に合わせたリハビリを提供しています。

特に、

「なぜ転びそうになるのか」

を分析することを重視しています。

転倒には必ず理由があります。

その理由を明確にしなければ、本当の意味での予防はできません。


まとめ

片麻痺で転びやすくなる人には共通点があります。

  • ・麻痺側に体重を乗せられない
  • ・足先が引っかかる
  • ・姿勢が崩れている
  • ・バランス能力が低い
  • ・注意力が低下している
  • ・疲れやすい
  • ・転倒経験がある

これらは適切なリハビリによって改善が期待できます。

転倒は「たまたま起こる事故」ではなく、

身体や脳からのサインであることも少なくありません。

「最近つまずくことが増えた」
「歩くのが不安」
「外出が減ってきた」

そんな方は、早めに対策を始めることが大切です。


転倒予防に不安がある方へ

当施設では、脳卒中後遺症やパーキンソン病などの神経疾患に対し、

歩行・姿勢・バランス・上肢機能を総合的に評価し、生活につながるリハビリを提供しています。

「転ばない身体づくり」だけでなく、

"安心して外出できる生活"

を目指してサポートしています。

一宮市周辺で、

  • ・退院後のリハビリ先を探している方
  • ・転倒が不安な方
  • ・歩行を改善したい方

はお気軽にご相談ください。

あなたらしい生活を続けるために、私たちがお手伝いします。

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