【脳卒中リハビリ】回復が止まったように感じる理由と、再び動き出すための視点

脳卒中の後遺症と向き合う中で、 「最近、良くなっている実感がない」 「前より動きにくくなった気がする」 そんな不安を抱える方は少なくありません。

しかし、“回復が止まったように見える時期”は、実は身体が変化するための大切なプロセスであることが多いです。 作業療法士として多くの方を支援してきた経験から、その理由と乗り越え方をお伝えします。

■ 回復が止まったように感じる“よくある3つの理由”

①「できる動き」が増えたことで、変化を感じにくくなる

リハビリ初期は、

  • ・座れるようになった

  • ・手が少し動いた

  • ・歩ける距離が伸びた など、目に見える変化が多く起こります。

しかし中期以降は、

  • ・動きの質

  • ・力の入れ方

  • ・姿勢の安定 といった“内側の変化”が中心になります。 これは本人が気づきにくく、「停滞している」と感じやすいポイントです。

②感覚の低下が、動きの変化を邪魔している

脳卒中後は、

  • ・触られた感覚

  • ・重さの感じ方

  • ・関節の位置のわかりやすさ などの感覚が弱くなることがあります。

感覚が弱いと、 「動かし方の正解」がわかりにくくなり、 努力しても動きが安定しません。

これは筋力の問題ではなく、 “感じられないこと”が原因で動きが変わらないケースが非常に多いです。

③同じ動作を繰り返しても“学習”につながっていない

脳は「正しい動きの経験」を積み重ねることで回復します。 しかし、

  • ・力任せの動き

  • ・代償動作(クセ)

  • ・感じないままの反復
    では、脳が“正しい動き”として学習できません。

これは、 「頑張っているのに変わらない」 と感じる典型的なパターンです。

■ 私が見る“動きの本質”

自費リハビリでは時間をかけて、

  • ・どこが感じにくいのか

  • ・どこで力が入りすぎているのか

  • ・どの関節が動きを邪魔しているのか

  • ・どんなクセが積み重なっているのか
    を丁寧に評価します。

特に重要なのは、 「動きの結果」ではなく「動きの作り方」を見ること。

例えば、

  • 手が上がらない → 肩甲骨が動いていない

  • 足が出にくい → 体重移動の感覚が弱い

  • 歩くと疲れる → 体幹の安定が不足
    というように、原因は“別の場所”にあることが多いです。

■ 回復を再び動かすための視点

●① 感覚を整える

動きの前に、まず“感じる”こと。

  • ・触覚

  • ・圧覚

  • ・関節の位置感覚 など
    これらを丁寧に入力すると、動きの質が一気に変わります。

●② 効率の良い動きを“経験”する

脳は「成功体験」で学習します。 少しでも正しい動きができると、それが脳に刻まれます。

●③ 生活動作とつなげる

作業療法士の強みは、 「生活の中で使える動き」に変換すること。 リハビリ室だけでできても、生活で使えなければ意味がありません。

■ 自宅でできる“感覚を取り戻す簡単ワーク”

●① 触覚の刺激

麻痺側の腕や手を、

  • ・タオル

  • ・スポンジ

  • ・冷たいもの・温かいもの
    で優しく触れて、違いを感じる練習。

●② 重さの感覚を入れる

軽いペットボトルを持ち、 「どれくらいの重さか」を意識するだけでも効果があります。

●③ 関節の位置を感じる

肘や手首をゆっくり曲げ伸ばしし、 「今どの位置にあるか」を意識する。

※無理のない範囲で、痛みがあれば中止。

■ まとめ:停滞は“限界”ではなく“再学習のチャンス”

回復が止まったように見える時期は、 身体が次のステップに進むための準備期間です。

  • ・感覚を整える

  • ・動きの質を高める

  • ・効率の良い動きの経験を積む

この3つを丁寧に積み重ねることで、 再び動きが変わり始めます。

脳卒中のリハビリは、まだまだ伸びしろがあります。 「最近変わらない」と感じている方こそ、 一度“動きの作り方”を見直してみてください。

一人では難しいと思った方は、一度リハビリスタジオ一宮に相談、初回体験をご利用下さい。
初回体験のみでも、しっかりと自主訓練内容をお伝えします。
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