脳卒中を経験された方やご家族から、私たちが最も多く聞く言葉があります。
「もうこれ以上は治らないですよね?」
退院後しばらく経ち、リハビリが終了すると、多くの方がそう感じてしまいます。
しかし、本当に改善は止まってしまったのでしょうか。
結論から言うと、「改善する可能性は十分あります。」
もちろん、誰でも元通りになるという意味ではありません。
しかし、脳卒中後の身体は適切なリハビリを続けることで、何年経過していても変化する可能性があることが、多くの研究で示されています。
この記事では、
- 「もう治らない」と言われる理由
- 1.実際に改善が期待できる理由
- 2.回復のために大切な考え方
- 3.自費リハビリという選択肢
について、作業療法士がわかりやすく解説します。
なぜ「もう治らない」と思ってしまうのでしょうか?
退院後、多くの方は次のような経験をします。
- ・外来リハビリが終了した
- ・デイサービスでは運動量が少ない
- ・家では自主トレが続かない
- ・麻痺した手を使わなくなる
- ・身体が硬くなってくる
すると、
「リハビリをしても変わらない」
という気持ちになってしまいます。
しかし実際には、
改善が止まったのではなく、「適切な刺激」が減ってしまっただけというケースも少なくありません。
脳は一生変化し続ける
以前は
「脳は壊れたら戻らない」
と言われていました。
しかし現在では、
脳には『神経可塑性(Neuroplasticity)』という性質があることが広く知られています。
神経可塑性とは、
経験や練習によって脳のネットワークが変化する能力です。
つまり、
繰り返し正しい動きを行うことで、
新しい神経回路が形成され、
身体を動かしやすくなる可能性があります。
これは脳卒中から数か月だけではなく、
数年経過した方でも報告されています。
「時間が経った=改善しない」ではありません
実際に当施設へ来られる方でも
- 発症から1年以上
経過している方が多くいらっしゃいます。
その中でも
- ・手が少し開くようになった
- ・歩幅が広がった
- ・転倒しにくくなった
- ・肩の痛みが減った
- ・家事ができるようになった
など、
生活の中で変化を実感される方は少なくありません。
重要なのは、
**「いつから始めるか」よりも「どのようなリハビリを行うか」**です。
改善する人に共通する3つの特徴
① 麻痺側を生活の中で使っている
脳は
使った動きを学習します。
逆に、
使わなければ
「使わなくてもいい」
と学習してしまいます。
そのため、
・食事
・着替え
・机を支える
・タオルを押さえる
など、
小さな役割でも毎日使うことが大切です。
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▶ 手の麻痺を改善する自主トレーニング10選
② 正しい動きを繰り返している
頑張ることより、
正しく動くこと
が重要です。
間違った動きを何百回繰り返しても、
脳はその動きを覚えてしまいます。
そのため、
専門家による評価を受けながら練習することが重要になります。
③ 継続している
リハビリは筋トレとは違います。
脳が学習するには
毎日の積み重ねが必要です。
短期間だけ頑張るより、
10〜20分でも継続する方が大きな成果につながります。
「改善=元通りになる」ではありません
ここで誤解してはいけないことがあります。
改善とは、
必ずしも
「発症前に戻る」
という意味ではありません。
例えば
- ・コップを持てるようになる
- ・ボタンが留められるようになる
- ・買い物へ行ける
- ・一人でトイレへ行ける
- ・孫を抱っこできる
こうした変化は、
生活の質(QOL)を大きく向上させます。
本人にとって意味のある目標を達成することが、
リハビリでは何より重要です。
一人で悩まず相談してください
「何を練習すればいいかわからない」
「自主トレが合っているか不安」
「病院ではもうリハビリが終わった」
このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。
だからこそ、
一人で悩まず、
現在の身体の状態を評価することが大切です。
適切な評価によって、
今必要なリハビリが見えてきます。
まとめ
「もう治らない」
そう思ってしまう気持ちは決して珍しいことではありません。
しかし、
脳には学習する力があります。
そして、
適切なリハビリを継続することで、
何年経過していても変化する可能性があります。
大切なのは、
- ・麻痺側を生活で使う
- ・正しい動きを繰り返す
- ・継続する
- ・専門家の評価を受ける
この4つです。
「できない」が「できる」に変わる可能性は、今も残されています。
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